仏壇の「開眼供養」とは?タイミングや流れについても解説!

公開日:2022/09/15   最終更新日:2022/09/21


仏壇や位牌を新しく購入した際や、仏壇の場所を移動させる際に行うのが「開眼供養(かいげんくよう)」という儀式です。開眼供養を行わなければ、仏壇を購入した意味がないほどの重要な儀式でもあります。宗派によって呼び名や必要となるものが異なる場合もあります。今回は開眼供養の意味だけでなく、一般的な流れや準備するものを紹介します。

仏壇の「開眼供養」とは?

仏壇の開眼供養は、仏壇に安置している御本尊や位牌に魂を入れ込む儀式のことです。そのため、開眼供養のほかに、入魂式・開眼開き・開眼法要とも呼ばれています。宗派によって、呼び方や必要なものが異なっていることもあります。浄土真宗では、開眼供養を行わずに御移徙(おわたまし)と呼ばれる法要を行います。

仏壇の開眼供養を行うタイミング

タイミングは複数あります。仏壇を購入する必要があるのであれば、開眼供養に間に合うように仏壇を購入しておきましょう。タイミングとしては、四十九日法要・一周忌法要・購入したときなどがあげられます。

仏壇の開眼供養をする際に準備するべきもの

仏壇の開眼供養を執り行う際には、さまざまなものを準備する必要があります。準備を忘れてしまうと、僧侶や参列者に迷惑をかけてしまったり、マナー違反になったりする恐れも。抜けがないようにしっかりと準備しましょう。

朱のロウソク

お参りでは、白のロウソクが一般的です。しかし、開眼供養はおめでたい行事・儀式とされています。そのため、おめでたいときに使用する朱のロウソクを使います。朱のロウソクを所持している方は多くはないため、忘れないように準備しておきましょう。ただし、法事も執り行うのであれば、朱のロウソクだけでなく弔事用の白のロウソクも必要です。

お供物

ロウソクと同じく、お供物もおめでたい行事・儀式用のものを容易します。お餅・お赤飯・乾燥昆布や、わかめなどの海の幸・乾燥しいたけや茸類や栗などの山の幸、野菜や果物などの里の幸が慶事向けのお供物です。

仏壇によっては、お供物をのせる高月などの仏具がない場合もあります。その際は、臨機応変に対応する必要があるため、事前に僧侶・お坊さんに相談するのもおすすめです。ただし、法事もあわせて執り行うのであれば、お供物を取り下げる必要があります。

引き物

開眼供養では、参列者からお祝いを受け取ります。従って、あらかじめお祝いのお返しを準備しておく必要があるのです。受け取るお祝いの相場は1万円から3万円であり、お返しの相場はお祝いの半額程度といわれています。したがって、5,000円から1万円の引き物を準備しておきましょう。

お布施

僧侶に渡すお布施も用意しておきましょう。開眼供養のみであれば、3万円から5万円ほどを祝儀袋に入れて渡します。四十九日法要などをあわせて執り行う際は、不祝儀袋の用意にくわえて相場も異なるので、注意してください。

御車代

僧侶を呼ぶことになるため、御車代を用意する必要があります。白い封筒に「御車代」と記載しましょう。御車代の相場は、5,000円から1万円です。

会食の手配

参列者や僧侶を会食に招くのが一般的です。そのため、事前に参加人数を把握して会食の予約を行っておく必要があります。会食を行う会場によっては、移動手段の手配も必要です。僧侶が会食に参加しない場合は、御膳料として5,000円から1万円を渡します。その際は、白い封筒に「御膳料」と書きましょう。

当日の準備

仏器に当日炊いたごはんを盛り、花立にお花をお供えします。朱のロウソクは、燈台にあらかじめ立てておきましょう。つづいて、御仏前にお供物(料理)をお供えします。このとき、お箸の向きには注意が必要です。仏壇を向くようにお箸を置くようにします。さいごに、高月や供物台に果物やお菓子をお供えしましょう。現在、お供えするお花に洋花や、故人の好きなお花を選ぶ方も増えつつあるようです。

とはいえ、一部の方からは受け入れられていないことも考慮しておくとよいでしょう。もし洋花などを選ぶのであれば、棘のあるお花やにおいの強いお花は、避けるのがベストです。料理やお菓子のお供物も、強いにおいではなく、さらに殺生をイメージさせるような肉・魚などは避けましょう。

仏壇の開眼供養の流れ

当日は基本的に、お越しになる方への対応です。招待客のお迎え・僧侶のお迎えを行ったあと、僧侶に読経いただきます。僧侶にはお茶をお出しする必要がありますが、読経前か後かは、僧侶によって異なるようです。つづいて、参列者により焼香を行い、必要に応じて移動して会食を行います。会食を行わない場合や、会食に僧侶が参加しない場合は、お布施をお渡ししましょう。不慣れで慌てていたとしても、用意したお布施・御車代・引き物を忘れてはいけません。必ず渡すように注意が必要です。

まとめ

開眼供養について紹介しました。多くの方にとって、開眼供養の儀式に何度も参列することはないといえます。そのため、事前の確認が必要不可欠です。事前に準備が必要なものも多く、当日の準備で間に合わないことも少なくありません。そのため、今回紹介した内容をふまえて抜けのないように準備するとよいでしょう。

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