始めて購入する方必見!仏壇を選ぶ際に意識するべきポイントとは?
仏壇はご本尊やご先祖様に手を合わせてお参りするための場所です。住宅事情や生活様式の変化によって仏壇のない家も増えているものの、現在も心のよりどころとして大切にされています。この記事では、身近な方が亡くなったり、ご先祖への感謝を伝えたりするために、初めて仏壇を購入する際に意識するべきポイントについて詳しくご紹介します。
仏壇の役割とは?
亡くなったご先祖様を祀るためのもの、というイメージを多く持たれている仏壇ですが、そもそもどのような役割があるのでしょうか。まずは仏壇の基礎知識から解説します。仏壇とは、信仰の中心となる仏像や仏具を飾り、ご先祖様をお祀りするための台のことです。
仏壇は宗教的な意味合いとご先祖への感謝を表す、2つの側面を持っています。仏壇は寺院にある御本尊を安置している本堂(内陣)を模しており、家の中に小さなお寺があるようなものともいえます。貴族や役人だけでなく、仏壇が一般家庭にも浸透したのは江戸時代にまでさかのぼります。江戸幕府の政策によって、仏教徒である証明のために家ごとに仏壇を置くことが義務付けられ、ご先祖を供養する現在と同じような習慣が確立されました。以来、多くの人の“心のよりどころ”のような役割を担っています。
仏壇を選ぶ際に意識するべきポイント
■伝統型
一般的によく見られる伝統型の仏壇は、金箔で装飾を施した金仏壇と、木目を活かした唐木仏壇の2つに分けられます。金仏壇は豪華な仕上がりとなっており、極楽浄土の世界を表しているとされているようです。主に真宗の宗派に用いられることが多く塗り仏壇とも呼ばれます。唐木仏壇は、紫檀や黒檀、鉄刀木など、熱帯地方に自生する木を用いて作られています。東南アジアから中国を経て日本に輸入されたことから唐木と呼ばれているのです。また、近年では屋久杉やケヤキなど、日本原産の銘木から作られた仏壇も見られます。唐木仏壇は使用されている木材の種類によって価格が大きく異なるのが特徴です。
■現代型
洋室などに置いても違和感のない、インテリアに馴染む仏壇のことを、現代型仏壇やモダン仏壇といいます。棚の上に置くことができる上置きタイプや、省スペースが人気の壁掛けタイプなど、ライフスタイルに合わせて選べるさまざまな種類のものがあります。使用されている素材も多岐にわたり、宗教色があまり強くないのが特徴です。中には持ち運び可能な携帯型の仏壇もあり、ご家庭のスタイルに合った供養の仕方を選ぶことができます。
■宗派
日本には、現在13宗派・56派の仏教の宗派があります。仏壇は宗派による違いもあるため、選ぶ前にご家庭の宗派を確認しておく必要があるでしょう。たとえば浄土宗や真宗、浄土真宗は金仏壇を基本としていますが、それぞれ仏壇の形が異なります。また、宗派によって仏具の飾り方も異なるので、宗派を確認したうえで、どの仏壇が適しているのか仏壇販売のスタッフに相談するのもよいでしょう。
■予算
仏壇は素材などによって価格に大きな幅があります。現代型仏壇の中には数万円程度で購入できるものもありますが、伝統型仏壇の場合数十万円から、数百万円の高級仏壇も少なくありません。そのため、ある程度予算を決めておいたほうが選びやすいといえるでしょう。
■置き場所
仏間がある家であれば悩むことはありませんが、マンションなどにお住まいの場合は仏壇を置く場所を決めておく必要があります。直射日光が当たる場所や、湿気がたまる場所は避けたほうがよいでしょう。また、神棚のある家であれば、仏壇と神棚が向かい合わせにならないように気を付けましょう。お参りやお手入れがしやすく、扉をスムーズに開けられるようにスペースを確保しておくことが大切です。奥行なども考慮したうえで仏壇の大きさを選ぶとよいでしょう。
仏壇はいつ頃購入するのがベスト?
結論からいうと、仏壇を購入するタイミングに明確な決まりはありません。身近な方が亡くなった後、お位牌を安置するために四十九日を目途に仏壇を購入する場合が多いものの、必ずしも焦って購入する必要はないでしょう。頻繁に買い替えるものではないからこそ、じっくり選び、一周忌や三回忌に合わせて購入してもよいのです。
また、引っ越しや新築・リフォームするタイミングで仏壇を購入される方も多いようです。家のインテリアに合った仏壇に新調するのもよいですね。このほか、結婚や子どもの誕生など、ライフイベントに合わせて仏壇の購入を決める方もいます。
なお、仏壇の購入後は「開眼供養」を行います。開眼供養は御本尊に魂を入れるため僧侶を招き、読経していただく大切な儀式です。初めて仏壇を購入するのであれば、四十九日や一周忌などの法要に合わせて開眼供養を依頼するのもよいでしょう。
仏壇を購入する際には、宗派やサイズなどのポイントを押さえて選ぶことが大切です。長い間お参りをするものなので、素材などを考慮したうえでじっくり選ぶとよいでしょう。また、ライフスタイルに合わせた仏壇も多くあるので、ぜひこの記事を参考に仏壇選びを進めてみてください。
