仏壇にお供えする花選びのコツとは?飾り方のポイントも解説!

公開日:2022/08/15   最終更新日:2022/08/17

仏壇にお供えする花選び

「仏壇に花供えるとき、どんな花を選べばいいのか」「マナーや決まりがあるのでは?」という疑問をお持ちの方も少なくないと思います。仏壇にお花を供えるときには、故人のためにも丁寧なお供えをしたいもの。本記事では、仏壇に花を供える意味やふさわしい花の種類、飾るべきでないとされる花の種類をお伝えします。

仏壇に花をお供えする意味とは?

そもそもなぜ私たちは仏壇に花を供えてきたのでしょうか。この習慣の起源には、いくつかの説があります。ここでは、その中から4つの説をご紹介します。

まず1つ目の説は「花の在り方が仏教的人生観と通ずる部分がある」という説です。花というものは、ときに雨風といった困難を受けながらも、道や野原にうつくしく咲いています。しかし、そのうつくしさを誇るようなことはしません。

仏教においても、人は極楽浄土への往生をめざし、現世の苦難を耐え、驕り高ぶることなく生きていくのがよい生き方だ、という考え方があります。仏壇にお花を供えるのは「私はあなたの子孫として、あなたの後に生きる人間として、花のように生き抜いていきます」という想いを込めて供えるのだ、というのが1つの説です。

2つ目の説は、かつての日本が土葬だったことに由来しています。かつて日本では、遺体を土葬する際に、後から動物に遺体を掘られてしまわないよう毒のある花を一緒に埋める、ということをしていました。そのことから、厄除けの意味合いとして死者に花を供えるようになった、といわれています。

3つ目の説は、仏教の昔話に由来するものです。かつて、釈迦が燃灯仏という仏に対して青蓮華という花を供えた、という逸話があります。その姿勢に習って、現代でも仏壇にお花を供えるのだ、という説があります。

最後の4つ目の説は、説というほどのものでもないかもしれませんが、季節感を大切にしながら、故人への感謝の気持ちを子孫として伝えるために花を供えている、というものです。

今も昔も、花というのは贈り物として重宝されてきました。花を供えることを通して、相手への感謝の気持ちを伝えてきたのだろう、というのがこの4つ目の説です。

仏壇にお供えする花の種類

故人の仏壇に、花を供えるとき悩ましいのが「何の種類の花を供えるのか」ということです。もっとも定番の花は、仏花ともよばれる「菊」ですが、ここではそのほかにも季節ごとのおすすめのお花をご紹介します。

まず、春におすすめの花はアイリスやキンセンカです。夏はグラジオラス、ケイトウ、秋は、リンドウ、ホオズキ、ミソハギ、そして冬はトルコギキョウなどがよく用いられています。

また、通年使用できる花として、カーネーションや百花草なども有名です。お花屋さんに行き「仏壇用に使えるお花はありますか?」と聞けば、こういったお花をおすすめしてもらえると思います。

仏壇に飾ってはいけない花

反対に、仏壇に飾ることが好ましくないとされている花もあります。どういった花が好ましくないとされているかというと、一般に「傷みやすい花」「毒のある花」「棘のある花」「香りがつよい花」などです。これらは、それぞれ死や殺生を思い起こさせるなどの理由から、仏壇に供えるお花としてはあまりよくないといわれています。

こうした、飾るのに向いていない花の例として、傷みやすい花であれば、カサブランカ、毒のある花であれば、彼岸花、スイセン、棘のある花であれば、テッポウユリ、バラ、アザミ、香りがつよい花であれば、ユリなどが挙げられます。

仏壇に花を飾る際に注意するべきポイント

仏壇に花を飾る際には、いくつか注意すべきポイントがあります。ここでは、主な3つのポイントについて解説します。まず1点目のポイントは「花の本数」です。原則。仏壇に供えるお花は、本数を奇数にします。3本、5本が一般的な数となっています。

2つ目は「花の位置や向き」です。花を飾るときには、お参りする人の方に向くように飾りましょう。そうすることで仏様の慈悲をお参りする方に対して表す、とされています。

また、それぞれの花を配置する際は、いちばん長い花を中心にひし形状に配置するのがよいとされています。これは、日本で宗教行事によく使用されるサカキの形を模しているということです。

3点目のポイントは「花の色」です。亡くなった日から四十九日までは「忌中」の時期に当たるので、派手な色よりも白を貴重にした花が用いられます。ただ、忌が明ければもう少し幅広い色から選んでもよいとされています。仏壇にお供えする花は、白、紫、黄、赤、ピンクから選ばれるのが一般的です。

まとめ

ここまで仏壇に供えるときの花選びについて「仏壇に花をお供えする意味とは?」「仏壇にお供えする花の種類」「仏壇に飾ってはいけない花」「仏壇に花を飾る際に注意するべきポイント」といった観点から解説しました。大切な故人に対して礼儀と感謝を尽くすために、仏壇には適したお花を選びたいもの。あなたがお花選びをする際に、この記事の情報が参考になれば幸いです。

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