金仏壇とは?種類ごとの特徴や設置する際の注意点についても解説!

公開日:2022/05/01   最終更新日:2022/05/30


金仏壇は、一般的に浄土真宗を信仰する宗派の仏壇ですが、実は浄土真宗以外でも金仏壇は使われています。浄土真宗は阿弥陀如来を本尊としており、人は誰でも死後は極楽浄土に行けるという考えがあります。またほかの仏壇に比べ装飾的で荘厳な仏壇です。ここでは、金仏壇について、特徴や宗派ごとの種類、設置する際の注意点を解説します。

金仏壇とは?

金仏壇は、全体的に黒の漆塗装に内部に金箔を張っている仏壇で、塗り仏壇とも呼ばれている仏壇です。金仏壇は、浄土真宗の家系に置かれていることが多いため、浄土真宗用の仏壇と思われていますが、実はほかの宗派でも使われています。また使われている金箔の量や質、漆の厚さ、細工の巧みさによって値段も変わります。

また、作られる産地によっても外観に違いがあり、その地域ごとで現在に受け継がれているのです。しかし、地域性の強い金仏壇も、今では地域にかかわらず好みの仏壇を求める方も増えています。伝統的な金仏壇ですが、実際にはどのような種類があるのでしょうか。初めに、その種類について見ていきましょう。

金仏壇の中にも種類がある?

金仏壇は,宗派別により、仏壇の内部の形に違いが見られます。宗派別に仏壇を見てみると代表的には次の4種類に分けられます。

■浄土真宗大谷派

浄土真宗(東本願寺・お東)の宗派向けの仏壇は、比較的に漆塗りの面積が広く、落ち着きがあり、漆黒と金箔の色合のある荘厳な仏壇です。柱と小柱は黒漆塗り、屋根が巴瓦で二重に備わっているのが特徴です。

■浄土真宗本願寺派

浄土真宗(西本願寺・お西)の宗派向けの仏壇は、比較的に金箔の面積が多く、絢爛豪華な荘厳な仏壇。柱と小柱は金箔を押し、屋根は巴瓦のない一重の屋根張りとなっています。小柱の柱間に昇竜、降竜の彫刻を施し、全体的に煌びやかな印象の造りが特徴です。

■浄土真宗高田派

浄土真宗本願寺派の造りに似ていますが、一重の屋根に巴瓦はありません。また、柱、小柱の金箔および柱間の昇竜、降竜の彫刻は同じですが、小柱に沙綾形という独特な彫りを施します。高欄、柱、壇廻りのすべてに金箔を張るというのも大きな特徴です。

■禅宗仏壇

浄土真宗以外の宗派(浄土宗、天台宗、曹洞宗、日蓮宗、真言宗など)向けの仏壇です。巴瓦の一重の屋根または屋根張りを持たない桝組みだけの造りになります。須弥段は蓮華彫りが基本で、本体はうねり欄間と花頭障子が必要な造りで、高欄は金箔または溜色仕様です。

金仏壇はどのような人におすすめ?

金仏壇は、ほかの仏壇に比べ装飾的で荘厳な仏壇です。先祖代々、浄土真宗の宗派として信仰されている方には金仏壇は一般的な仏壇ですが、実際に金仏壇を選択する人とはどのような方でしょうか。また、どのような方におすすめでしょうか。

■ご僧侶の意向

先祖代々、お寺のご僧侶とお付き合いのある方はご意向に沿う仏壇を選ぶことになるため、金仏壇になる可能性は高いでしょう。

■浄土真宗の信仰心が強い

浄土真宗といえば金仏壇といわれるほど有名です。亡くなられたご家族だけのために手を合わせるだけでなく、ご先祖のすべての方を偲ぶという信仰心の強い方にはおすすめです。

■荘厳な仏壇を置きたい

浄土真宗以外の宗派の方でも、高級仏壇を好み、木地、塗り、金箔押し、彫刻、彩色など、多くの技法で造る金仏壇に高い価値観を持つ方にはおすすめです。

金仏壇を設置するうえで注意するべきポイント

金仏壇を設置する場所でもっとも適しているのは仏間になりますが、絶対にこうしなければならないという決まりはありません。しかし、急に実家から仏壇を引き継ぐなどの事情が生じた場合、場所選びは大切です。ここでは金仏壇を設置するうえで注意するべきポイントを整理し、解説します。

■仏壇の設置方法のルール

仏壇と神棚を同じ部屋にしても問題はありません。しかし、仏壇と神棚が向かい合わせにならない設置場所を選びましょう。

■仏壇の向き

仏壇を置く向き(方角)に特別な決まりはありません。

■仏壇を置く部屋

仏間が理想ですが、ご家庭に仏間がある家は少なくなっています。また、この部屋に置くという決まりはないため、実際には普段の生活の場所に置くことに問題はありません。少しでも気になる方は、日常の生活から少し離れた客間に置いてもよいでしょう。

■仏壇の寸法

仏間があっても、事前に仏壇の寸法を測っておかないと、仏壇が大きく、仏間に置かれなくなっては問題です。可能であれば、仏壇屋に相談し、設置したい場所の寸法を測ってもらい、その置き場所に合う仏壇選びが無難です。

■そのほか

仏壇を長く大切にするためには、直射日光が当たらない、風通しがよい、湿気が少ない、冷暖房の風が直接当たらない場所が最適です。

 

金仏壇は、産地によっては独特な形式が見られましたが、現在は、自分の好みに応じて仏壇を求める方が多くなりました。仏壇は仏間に置くという通念も住宅事情により、日常生活に溶け込んだ場所でも設置されています。しかし、金仏壇は決して安くはありません。末永く設置できる仏壇を選ぶのか、どのような仏壇があるのかよく吟味してから購入することをおすすめします。

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