仏壇の正しい掃除方法とは?気をつけたい手順や注意点を解説!
仏壇は、ご先祖様や仏様がお祀りされ、細かな飾りも多いため、掃除がしにくいと場所だと思われています。「もし壊してしまったら」「掃除のやり方がわからない」など、掃除をためらっている方も多いのではないでしょうか。しかし、ほんの少し注意すれば、案外簡単に掃除できます。怖がらずに仏壇掃除をしてみましょう。
仏壇を掃除するのに適したタイミング
仏壇の掃除には、日々の簡単なお手入れと本格的な掃除とに分けられます。
普段のお手入れ
普段のお手入れは、仏壇を拝んだときやお供え物をした際、ホコリが気になったり、ちょっとした汚れを見つけたりしたときに行うと良いでしょう。頻度としては、週に1~2回程度になると思います。仏壇用の毛はたきで軽く払い、気になる汚れは乾いた布などで拭いておくだけなら、手間も時間もかかりません。
本格的な掃除
年末の大掃除やお盆、お彼岸、命日などは、親戚が集まったり法事が行われたりすることもありますので、それらのタイミングで掃除をしましょう。ただ、仏壇仏具は湿気に弱いため、よく晴れた湿気の少ない日を選んで掃除をしてください。
仏壇を掃除するときの手順
仏壇を本格的に掃除する際には、以下に紹介するような道具を用意しておくと便利です。
白手袋(100円ショップなどで販売されているもの)
仏壇用の毛はたきや筆
化学ぞうきん
仏壇用のつや出しクリーム
金属磨き
綿棒
使い古しの綿シャツやストッキング
新聞紙やピクニックマット
仏壇用の毛はたきや筆、クリームなどは仏具店で購入できます。そのほかの道具は、家にあるもので十分ですので、掃除をする前に準備しておきましょう。では仏壇掃除を始めます。
仏壇の写真を撮る
仏壇を本格的に掃除するときには、仏壇内の仏具を外に出すので、掃除が終わって仏具を戻すときに、配置がわからなくなることがあります。心配な時は初めに写真を撮っておきましょう。
ご本尊やご先祖に挨拶
掃除をする前には、ご本尊やご先祖に手を合わせて挨拶をします。「これから掃除をしますので、しばらく我慢してくださいね」心の中でご先祖にお断りしておきましょう。
換気をする
ホコリが部屋に舞うと、せっかくきれいにした仏具にまたホコリがついてしまいますので、窓を開けて換気をよくしておきます。
仏具を出す
手袋をしてから、仏壇の中にある仏具をできるだけすべて出します。全体の掃除がしやすく、どこかが傷んでいても見つけやすいからです。ただ、吊灯籠や取り外し方がわからない仏具などは、そのままにしておきましょう。仏壇から出した仏具は、清潔な布やマットの上に間隔を開けて置きます。間隔が狭いと、万一倒れたときに壊れる危険がありますので、注意してください。
毛はたきでホコリを払う
一般的な掃除と同じように、仏壇の上方から毛はたきでホコリを払います。強く払うと、彫刻部分が壊れることがありますので、優しくゆっくりと払ってください。細かい部分や毛はたきが届かない奥の方は、仏壇用の筆で払いましょう。
乾拭きする
化学雑巾で仏壇の中を優しく拭きます。強く拭くと塗りがはげたり、装飾が壊れたりするかもしれませんので、軽く拭く程度にしてください。細かい部分は、綿棒などで優しく拭きます。
つや出しクリームで仕上げる
古い綿シャツなどを使って、仏壇用のクリームを軽く塗って仕上げます。この時も力を入れずに優しく塗ってください。
仏具のお手入れをする
仏具の中でもご本尊や掛け軸、位牌などは特に繊細で壊れやすいため、仏壇専用の筆で優しくホコリを払う程度にしておきます。おりんなど金属の仏具は、乾拭きした後に金属磨きで磨きます。ただあまり強くこすると、メッキが剥がれることがあるので注意してください。
木製の仏具は、乾拭きした後に仏壇用のクリームを塗っておけば、つやが出ます。内敷やおりんの座布団などは、水洗いができませんので、汚れがひどい時には、買い替えてください。香炉の灰が少ない時や線香の残りがあって汚れていれば、新しい香炉灰に入れ替えましょう。
仏具を仏壇に戻す
前もって撮っておいた写真を見ながら、仏具を元の場所に戻せば、掃除は終了です。最後にご本尊・ご先祖に挨拶をします。「掃除が終わりました。どうぞ気持ちよくお過ごしください」ご先祖にゆっくりしていただきましょう。
仏壇の掃除をするときの注意点
最も注意することは「優しく軽く」と水拭きはしないという点です。繊細な細工が多い仏壇は、壊れないように掃除をするという心がけを忘れないでください。そのほかの具体的な注意点については、以下のとおりです。
仏壇の材質に合わせた掃除
仏壇には「唐木仏壇(からきぶつだん)」と「金仏壇」それに「家具調仏壇」の3つに分けられます。「唐木仏壇」とは、紫檀や黒檀などの木材で作られた仏壇です。「家具調仏壇」とは、近年増えてきた仏壇で、家具などに使われているような材質のものですが、どちらも基本的な掃除の方法は、前述したとおりで問題ありません。
ただ、白木に漆や金箔がほどこされた「金仏壇」は、かなり注意が必要です。金箔や金粉、漆の部分には絶対に触ってはいけません。もちろん水拭きなどもってのほかです。万一金箔や漆が剥げてしまうと、高額の修繕費用が掛かることがあります。
素手で触らない
仏壇の種類に関わらず、仏壇仏具のお手入れをする際は、必ず手袋をつけてください。汗や皮脂が付くと汚れや錆び、カビなどの原因になる可能性があります。細かい作業もできるように、軍手ではなく普通の白い手袋を使用してください。
無理はしない
仏壇仏具は、とても繊細な道具です。本格的な掃除となると、徹底的にきれいにしたくなるかもしれませんが、仏壇掃除に限っては例外です。無理に磨いたり、拭いたりすると、壊れてしまうかもしれません。どうしても汚れが気になる場合は、専門業者に相談した方が無難です。
まとめ
仏壇掃除は、ご先祖や仏様への感謝の気持ちを表す一つの方法です。出来る範囲で掃除をするだけでもご先祖は十分喜んでくださっています。気づいたとき、気になったときに少しずつ、無理なく掃除をすることを心がけてください。本格的に掃除をする際も、仏具を大切に優しく扱うことを忘れなければ、大きなトラブルは起こらないはずです。この機会に、ぜひご先祖と会話をしながら掃除をする素敵な時間を作ってみてください。
