宗派による仏壇の違いとは?飾り方の違いや見分け方の違いを解説!

公開日:2022/11/15   最終更新日:2022/11/08


仏壇は、仏様をお祀りすると同時に、亡くなられたご親族やご先祖様との対話の場として大切な場所です。とはいえ今では昔ながらの仏壇があるお宅も減り、法事などでしか見たことがない、という方もいるかもしれません。そんな仏壇ですが、宗派によって細かな違いがあることはご存じでしょうか。ここでは宗派による仏壇の違いについて解説します。

仏壇は宗派によって違う

一見どれも同じに見えるかもしれませんが、仏壇にはさまざまな違いがあります。とくにご本尊は、当然のことながら宗派によって種類が違います。本尊は像や掛け軸の形で、祀られていることが多いです。ご自宅に仏壇がある、という方は一度確認してみるとよいでしょう。また、これから仏壇を購入されるという場合もあると思います。仏壇は高価なものですから、万が一、間違ったものを購入してしまったら大変です。

最近では、洋風のインテリアに合わせやすい家具調の仏壇や、ミニサイズの仏壇も増えていますが、仏壇の形式に厳格な決まりがある宗派もありますから、あらかじめ菩提寺に確認をしておくと間違いがないでしょう。法事などで、菩提寺の住職様とお会いする機会に尋ねてみるのも良いですね。基本的に仏壇の中央に本尊が祀られ、その脇に宗祖などが掛け軸や仏像の形で飾られます。これが見分ける最大のポイントになりますので、意識してみてください。

宗派別の仏壇の違いと見分け方

以下、宗派別の仏壇の違いと見分け方について確認していきましょう。

天台宗

天台宗における御本尊と脇侍に関しての見解はさまざまで、寺院や宗派によって違いがあります。一般家庭では本尊は釈迦牟尼如来で、本尊の右側には開祖である天台大師、左側には天台宗を日本に伝えた、最澄の仏像が飾られていることが多いようです。

真言宗

真言宗は、弘法大師こと空海が、日本に伝来した即身成仏の教えを根幹とする密教です。本尊は大日如来で、特徴としては左の人差し指を右手で握りこむ、智拳印を結んでいる点でしょう。本尊の右には開祖である弘法大師、左には不動明王の像または曼荼羅が飾られます。

浄土宗

本尊は阿弥陀如来で、右に高祖である善導大師、左に法然上人が飾られます。

浄土真宗

本尊は阿弥陀如来です。浄土真宗は本願寺派と真宗大谷派(東本願寺派)とに分かれており、それぞれ違いがあります。前者は本尊の右側に開祖である親鸞、左側に浄土真宗拡大の立役者である第8代宗主蓮如の仏像が飾られ、後者は本尊の右側に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号、左側に「南無不可思議光如来」の九字名号が刻まれているのが特徴です。

日蓮宗

本尊は大曼荼羅ですが、脇侍の位置が地域によって異なります。関東では大黒天を右に、鬼子母神を左に飾りますが、関西では逆になります。また、開祖である日蓮上人の木像が、本尊の前に置かれることも多いようです。

曹洞宗

本尊は主に釈迦牟尼仏ですが、仏心があればどなたを本尊としてもよく、厳格な決まりはないので、釈迦如来など、ほかの仏様が祀られることもあります。右に宗派開祖の道元禅師の掛け軸、左に第4代の曹洞宗、蛍山宗の開祖である蛍山禅師の掛け軸が飾られます。

臨済宗

釈迦牟尼仏を大恩教主としていますが、仏性を自らの内に自覚することを大切にしているため、特定の本尊を立てないのが特徴です。同じ禅宗ということもあり、この点、曹洞宗と似ていますね。本尊の右側には、中国禅宗の開祖である達磨大師の掛け軸が、左側には観世音菩薩の仏像か、花園法王の肖像画が描かれた掛け軸が飾られます。

時宗

本尊は阿弥陀如来で、右側に開祖である一遍上人の掛け軸、左側には時宗を再興させた、真教上人の掛け軸が飾られます。

宗派別の仏壇の飾り方の違い

宗派ごとの特徴を確認できたところで、飾り方の違いについても確認していきましょう。

天台宗

仏壇の主流は唐木仏壇ですが、厳密な決まりはありません。ただし阿弥陀如来の影像は、座弥陀と呼ばれる座った姿をお祀りします。位牌を仏壇に安置することが多いですが、浄土宗と比較すると、下の方に安置されます。

真言宗

仏壇は唐木仏壇が主流ですが、厳密な決まりはありません。真言宗に限ったことではありませんが、仏壇は設置スペースに合うサイズのものを選び、バランスを見てお祀りする本尊などを選んでいくことが大切です。

浄土宗

仏壇の主流は唐木仏壇で、最上段に位牌を安置するのが特徴です。

浄土真宗

阿弥陀仏のいらっしゃる極楽浄土を表現するため、全体的に金箔が施された金色の仏壇が特徴です。本願寺派の仏壇は内部の柱が黒く塗られているのが特徴といえます。これに対し、真宗大谷派(東本願寺派)の仏壇は、内部まですべて金一色で塗られています。また、真宗大谷派では、位牌の代わりに過去帳が用いられるのも特徴的です。

日蓮宗

仏壇は唐木仏壇が主流となりますが、地域によっては専用の仏壇を使用していることもあるそうです。本尊が大曼荼羅なので、サイズや、本尊が隠れないよう飾り方にも配慮が必要でしょう。

曹洞宗、臨済宗

仏壇は唐木仏壇が主流ですが、厳密な決まりはありません。

時宗

多くの場合、本尊に舟形の光背が付いた仏像を飾るのが特徴です。

まとめ

ここまで宗派による仏壇の違いについて解説してきました。仏壇は故人を偲び、ご先祖様へ思いをはせるための身近な祈りの場ですが、一言に仏壇と言っても、宗派によって、さまざまな細かい違いがあります。仏壇は高価なものですから、ご自分の宗派に合った仏壇の種類、本尊、脇侍など、菩提寺に相談してから購入するようにしましょう。

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