仏壇購入後は開眼供養を行おう!具体的な流れをチェック
仏壇は、購入しただけでは単なる入れ物でしかないといえます。大切なのは、開眼供養です。ここでは、開眼供養とはどういう意味があるのかを解説します。仏壇を初めて購入する人はもちろんですが、引っ越しなどで置き場所を移動する際にも必要となる儀式です。どういったものか、基本的な流れをチェックしておきましょう。
仏壇購入後は開眼供養を行おう!
開眼供養は「かいげんくよう」と読みます。開眼とは、眼(まなこ)を開くことです。仏教において、悟りを開くことに通じます。開眼供養とは、新たに制作された仏画や仏像などに、魂を迎え入れることです。仏壇を購入したら、開眼供養をなすことにより、霊験を得ることができます。
実際には仏壇自体ではなく、仏壇の中に安置する本尊(仏像、掛け軸)、故人や先祖を供養するための位牌に対して行うものです。魂が宿ることで、手をあわせて拝める対象となります。買ってきただけの仏壇は空っぽの箱であるといっても過言ではないというのは、このような理由からです。
開眼供養は宗派や地域によって、入仏式や入魂式、御性根入れ、魂入れの儀式、開眼法要など、さまざまな呼び方があります。
また、宗派による考え方の違いによって、開眼供養とは異なる場合があります。たとえば浄土真宗が行うのは、御移徙(おわたまし)、建碑式(けんぴしき)、入仏法要などと呼ばれるものです。仏壇の購入を検討する際には、自分の宗派ではどういった儀式が必要になるのか、確認しましょう。
開眼供養を行う具体的なタイミング
仏壇の開眼供養は、どういったタイミングで行うのでしょうか。そもそも仏壇を置くのは、亡くなった人のための四十九日の忌明けの法要や一周忌などの法要にあわせることが一般的です。または家の建て替えや引っ越し、お彼岸やお盆の時期にあわせて仏壇を新調したり、買い換えたりすることが挙げられます。つまり、法要とあわせて開眼供養を行う場合と、開眼供養のみを行うパターンです。四十九日などの法要での開眼供養では、葬式の際に用いた白木の位牌から、本位牌へと魂を移します。
仏壇を新しく買い換えたり、引っ越しなどで仏壇を移動したりする場合は、移動の前に位牌などから魂をいったん抜き(閉眼供養)、改めて開眼供養を行うといった流れです。仏壇の置き場所を変更する場合にも、本来は同じような儀式が必要になります。仏壇の購入は、開眼供養の日程も含めてスケジュールを決めることが重要なので、覚えておくとよいでしょう。
開眼供養を行う際に準備するべきこと
開眼供養の際には、仏壇の置き場所へ僧侶を招き、読経してもらうことになります。菩提寺のある地域より遠方で暮らしているなど、菩提寺へお願いすることが難しい場合は、本尊や位牌を寺に持参して開眼供養をしてもらうことも可能です。または、同じ宗派の寺院を紹介してもらうとよいでしょう。
最近では、インターネットで申し込める、僧侶を派遣するサービスもあります。開眼供養の日程を決めたら、参列者を選定して案内を送りましょう。四十九日などの法要とかねる場合は、親戚や故人の友人知人など、幅広く案内を送ることになります。
開眼供養のみの場合は、とくに参列者に決まりはありません。近しい間柄の親戚や故人とゆかりのある友人を招く、または家族だけで行うこともあります。開眼供養の儀式自体は慶事、つまりお祝いごとです。新築の家に親しい人を招待してお披露目する、といた感じに近いのかもしれません。
開眼供養を行うために必要なもの
当日までに準備するものは、仏壇へのお供え物や会食と引き出物の手配、僧侶への謝礼です。お供えに必要なのは、花、線香とロウソク、ご飯やお菓子、果物などです。花の用意は、花屋に開眼供養で使うことを伝えると、スムーズでしょう。お祝いごとになるため、赤(朱色)のロウソクを用意するところもあります。
供え物は、ご飯や果物以外に餅や赤飯、海の幸や山の幸といったものを用意する場合があり、このあたりも宗派や地域差があるようです。参列者の人数が確認できたら、会食と引き出物の手配です。会食は、僧侶を含めた参列者全員分を予約。引き出物は、参列者からのお祝いへのお返しとして用意します。
開眼供養のお祝い金の相場
開眼供養のお祝い金は1万円から3万円といったところなので、その半分となる5,000円から1万円程度の品物が目安です。僧侶への謝礼は、開眼供養のみであれば、のし無し紅白水引の祝儀袋か白封筒に、開眼御礼または開眼法要御礼などと書きます。法要とともに行う場合は、御布施としてまとめるか、開眼御礼と御布施を分けて用意する場合があります。開眼供養の御礼、御布施の相場は、それぞれ1万円から5万円程度が相場のようです。また僧侶を招く場合は御車代を、僧侶が会食に出席しない場合は御膳料を、それぞれ5,000円から1万円程度を目安に渡します。
開眼供養の流れ
開眼供養当日の流れをみていきましょう。当日の準備は、まずご飯を炊き、仏器に盛って仏壇に供えます。仏膳に料理を盛り、箸は仏壇に向けて置いてください。燈台にロウソクを、花立てには花を供えます。果物やお菓子などのお供え物は、高月や供物台に供えます。参列者が集まり、僧侶を迎え入れたら、式のはじまりです。僧侶が経を読み、参列者が順に焼香。場所を移して会食するというのが、大体の流れとなります。
四十九日法要の場合は、開眼供養の読経の後に法要を行い、会食するというのが基本です。細かいところは、宗派や地域によって異なります。仏壇購入の際には、事前に菩提寺か開眼供養をお願いする寺院に、余裕を持って相談することがポイントです。
まとめ
ここまで仏壇の購入後の開眼供養について、一般的な流れをご紹介しました。開眼供養という言葉をはじめて耳にしたという人もいるでしょう。宗派によって違いはありますが、仏壇はただ置くだけではなく、本尊や位牌への儀式が重要だということが、おわかりいただけたのではないでしょうか。仏壇は、いわば小さなお寺となる場所です。長く安らげる場となるよう、仏壇を置くことになったら、あわせて開眼供養の準備を整えましょう。
